第1回「単独ライブを控えた心境」
押見 何も仕上がってないですね。
――えっ、そんなもんですか。
いけや 外枠はできてるんですけど。
押見 僕がまだネタを書いてない。焦ってはいるけど、まあなんとかなるだろうと。いつも「こんな感じにしよう」とみんなで話して外枠を決めて、「あとはここにアンコを入れればいいんでしょ?」と、できた気になっちゃうんですよ。でもアンコ作るのにだらだらしちゃう(笑)。
――いけやさん、焦りません?
いけや 焦りませんね。1週間きってから稽古するのがいつものペースなんで。昔たどれば単独って、3日4日前に初めて稽古に呼ばれることもありましたし。
――押見さんはスイッチ入る瞬間あるんですか。
押見 考えてはいるんです、常に。ノートを開いてメモはとっている。その箇条書きからもっといいのができるんじゃないか、こっちもあるかな、と転がしている期間が今で。この取材でケツ叩かれた感じです。今日から僕、ちゃんとやろうと思いました(笑)。ただお客さんにやっつけだと思われたら嫌なので、できれば書いてほしくないです!(笑)
――今回の単独、以前からしばらく間が空いたようですが。
いけや 一番最近が2011年の10月だっけ?
押見 それは3月にやる予定だったのが、震災で8月に延期になって、さらに今度、真夏に僕がインフルエンザにかかったんです。
――夏にインフルエンザ……。あまり聞きませんね。
押見 聞かないでしょ? でもあるんです。結果、みんなに信じてもらえなくて、仮病扱いされた(笑)。その単独以降は、対「キングオブコント」の新ネタライブ「本気ライブ」に集中していて……。簡単に言えば「キングオブコント」に集中するあまり、単独をないがしろにしたということです(笑)。
――「本気ライブ」でウケたネタをまとめて単独で、という感じではなかった?
押見 単独でやったら新鮮味ないですし、「キングオブコント」用にネタ作ってましたし。僕らの場合、単独はネタが残りにくいんです。尺が長かったり、全体を通してフリになってたりするんで。まあ、両方やるのが面倒だったんですよね(笑)。
――今回単独をやるのは余裕ができたんですか?
押見 余裕ではないですね。「本気ライブ」に毎回他事務所のゲストの方が来てくれてるんですけど、「キングオブコント」のチャンピオンやファイナリストが単独やってないかといったら、やってるんです。ということは、単独やらないのは理由にならないなと思って。